アイシン産業株式会社

仕事インタビュー

9ヵ年の終わりと次の長期経営計画へ。アイシン産業の2024年を振り返る

皆さんこんにちは。「『粉』を操る技術でお役に立ちたい」という気持ちから1972年に創業し、粉に関わるすべてのお客様のために、最適な粉粒体ハンドリング機器・装置・設備を提供しているアイシン産業株式会社の広報担当です。

現在、アイシン産業では一緒に働く仲間を募集しています!今回は社長の村上に、9ヵ年にわたる第1次長期経営計画の最終年度となる2024年の振り返りと、今後のアイシン産業について語ってもらいました。


■2024年の業績は過去最高に。次の長期経営計画に繋いでいく1年



自己紹介をお願いします!

代表取締役社長の村上徹(むらかみ・とおる)です。

大学の工学部化学工学科卒業後に、工場の作業環境改善のための集塵設備、工場の粉粒体工程のハンドリング設備のエンジニアとして23年間経験を積んだ後、アイシン産業に転職。入社8年目で社長になりました。社会人になってからずっと、粉に関わる仕事に携わっています。

─アイシン産業の2024年はいかがでしたか?

コロナ禍を脱し、国内企業の設備への再投資が加熱したこともあり、弊社として過去最高の業績をあげることができました。良い2024年だったと感じています。

2024年6月には、第1次長期経営計画9ヵ年の最終年度に突入しました。計画時に掲げたスローガン、「安定した高収益経営を維持し、働く環境が整備され、すべての関係者が豊かさを実感できる永続可能な優良でグローバルな中小企業を目指す」をどれだけ達成できたか整理し、次の長期経営計画に繋いでいく1年になりました。

長期経営計画ではスローガンを含め、売り上げの目標も立てられていたのでしょうか?

はい。そもそも長期経営計画をスタートしたのは、「売り上げが伸びているのに赤字」という状況に直面したことがきっかけだったんです。まずは安定した収益が得られるように、売り上げと利益を掲げた長期経営計画になっています。

■長期経営計画の最終年度は、66%の増収・150%の増益

元々計画していたものが100点だとしたら、今時点の達成度はどのくらいでしょうか?

ざっくり自己採点をすると、100点満点中の70点ですね。

長期経営計画では、かなり背伸びした数値目標を掲げています。弊社は53年の歴史がありますが、例年通りの上昇カーブでは到達しない数字を設定してます。では、その数字を達成するにはどうしたらいいのでしょうか。例えば、新たな商材を盛り込む(新規商材)、新事業を膨らませる(新規事業)、海外市場に展開していく(新規市場)など複数考えられますよね。

そしてもう一つが“昔ながらの物の作り方から脱すること”です。長期経営計画の中で収益を改善しながら、あるべき製造業の姿を皆で検討して、とりあえず本社オフィスと組立工場を刷新しました。


─2024年の具体的な数値はいかがでしょうか?

2024年5月の52期決算では、26億円を売り上げ、過去最高の営業利益を得ることができました。自社製品の堅調な伸びと合わせ、輸入装置・機器の販売、粉粒体プラント事業が成長してきたことが寄与したと思います。

長期経営計画の1年目である8年前と比較して、66%の増収、150%の増益です。社員の生産性がアップしているので、一人当たりの売上高も36%程度増加したという結果が出ています。「わが社はすごい、皆よくがんばった!」と自画自賛していました。

昨年度は他の粉体装置・機器メーカーも努力を重ねており、各社軒並み好業績を残していました。また、自社の頑張りに加え、お客様の素早い商品展開のための製造ライン改造・増設という後押しもありました。粉体業界は、クライアント先が特定されていない特徴があります。食品から化学、自動車など多くの業界から需要があるので、国内の要望に対して地道に応えていけば、順調な成長は達成できるのでしょう。

内外の情勢が変化しても、コロナ禍のような局面であっても、最低15%の営業利益が確保できる経営基盤を作ることが長年の目標です。好業績だった2024年でも営業利益率は13%程なので、まだまだです。変化し続けて、もっと基盤が安定した企業にならなければなりません。

■2024年は“人の育成”に力を入れた1年

2024年の大きな変化や、新たに取り組んだことはありますか?

2023年には本社工場を新築移転し、ハードが新しくなりました。そして2024年は“人の育成”というソフト面に投資するスタートの年となりました。

まず、管理職のマネジメント能力の向上に力を入れました。これまで当社で長年勤めてくれた社員は、業務スキルをしっかり身につけていますが、部下の育成や部門統括などに関しては指導したことがほとんどありませんでした。ゆくゆくは経営に関わることを考えると、より投資が必要だと感じました。

これまでもずっと「教育に力を入れるべき」と経営陣は考えており、以前は各自希望する社外研修があれば参加してもらう形を取っていました。それに加え、2024年度からは管理職の中から11名を選抜し、コーチングの外部研修を4か月間受講してもらいました。その影響で、現在は社内で1on1ミーティングが盛んに行われています。

また、全社員を対象にeラーニング受講システムも導入しました。5000を超えるコースから各自がコースマップを作り、就業時間内に受講してもらっています。

そのほかでは、採用サイトを立ち上げたことも大きな変化です。採用サイトを見て自らコンタクトを取ってくれる方は転職意欲が高いです。その中でのマッチングに関しては、まだまだ難しさを感じているところですが、過去にエージェントも利用したことがあり、そのときと比較して50倍くらい具体的な応募者が増えました。

■仕事と社員のマッチング“ミッションTeRA”に取り組みたい

2024年のアイシン産業で高く評価したいことは何でしょう?

経済産業省推進の「健康経営優良法人(中小規模部門)」認定に向けた活動に着手しました。2026年の認定取得を目指しています。また、厚生労働省が推進する女性活躍推進企業「えるぼし」認定についても準備と申請を行ない、2025年3月に認定を取得しました。働く人に注目した職場環境づくりを社員主体で進められたことを評価しています。


自他ともに認める魅力ある中小企業の実現を8年間目指してきました。全社員がゴールを共有して、それぞれの部門で各自が役立っている実感が持てる職場作りに力を入れていることは評価したいです。社員の成長が企業の成長の原動力になっていますからね。

反対に、課題に感じていることはありますか?

仕事と社員のマッチングについては、まだまだ不十分だと感じています。

弊社は中途入社してくれたメンバーでほぼ構成されています。せっかく経験とスキルを持って入社していただいているので、これまでの経験を活かしながら、さらに新しいスキルを積めるような仕事に携わりキャリア形成していただきたいです。やりたいことや得意なことを理解しあって、個人にマッチした仕事を分担したいです。

これを私は個人的に”Technology Resources of Aishin”と名付け、頭文字をとって「ミッションTeRA」と呼んでいます。それぞれが持つ高いポテンシャルをもっと活用できる事業展開をし、会社そのものをより強く大きくしていきたいですね。さらに、一人ひとりが描く仕事のスタイルやキャリア形成をこのミッションで実現したいと思っています。


「Customer-in」「One-stopサービス」の両輪で走り続ける

2025年の挑戦についても教えてください。

2025年6月からスタートする“第2次長期経営計画9ヵ年”を、最も良い形で策定することが直近の課題です。少し背伸びして設定したゴールを全員で共有し、次の9年間を活動していきます。

「人材強化」「市場拡大」「商品力向上」の3つがあって初めて適正な利益をあげられると考えています。これからの経営計画の中では、特注対応が得意なメーカーになる「Customer-in」と、全て任せてもらえる「One-stopサービス」を両輪に走り続けていきたいと思っています。

さらに、IoTやAIなどデジタル技術を応用した製品やビジネスモデル開発にも注力したいです。まだ詳しいことは言えませんが、多様なスキルをもった社員が増え、社内人材を見るともはや機械メーカーではありません。彼らのスキルを活かし、粉粒体というキーワードを前提に、ちょっと変わったデジタル技術応用を模索しています。お客様のニーズに対してサプライズをお届けしたいです。

最後に、アイシン産業への転職を考えている方にメッセージをお願いします。

当社では、経営メンバーを含めたほとんどの職種で人材を募集しています。「ここで仕事をしてみたい」と気になった方は、ぜひチャレンジしてほしいです。定年までひとつの会社で勤め上げる人が少なくなっている時代、自分の価値をどれだけ高められるかが求められるでしょう。当社がそのお手伝いをできる企業でありたいです。

2025年6月から次の長期経営計画9ヵ年が始まります。社内には、粉粒体技術だけでなくいろいろな技術・スキルが必要な仕事があります。お客様にとっても社員にとっても、魅力ある企業を目指していますので、ゴールを目指して共に成長していきたい方にぜひ来てもらいたいです。「おもしろそうだから覗いてみよう」と会社見学を申し込まれるのも大歓迎です。お待ちしております!